シンザン記念
概要
シンザン記念は、日本競馬史上2頭目の三冠馬であるシンザンの功績を称え、1967年に創設された3歳馬(旧4歳馬)限定の重賞競走です。
正式名称は「日刊スポーツ賞シンザン記念」で、毎年1月上旬から中旬に京都競馬場の芝1600m(外回り)で行われます。
このレースは、クラシックシーズンを目指す若駒たちの重要なステップレースとして位置付けられています。
シンザン記念は、1967年に創設されて以来、多くの有力馬が出走し、クラシック戦線への登竜門としての地位を確立してきました。
1984年のグレード制導入時にGIIIに格付けされ、以降も多くの名馬を輩出しています。
特に、1997年の優勝馬シーキングザパールは、日本調教馬として初めて海外G1(モーリス・ド・ゲスト賞)を制覇し、シンザン記念の価値を高めました。
シンザン記念優勝馬とその後の活躍
1. ジェンティルドンナ(2012年優勝)
• 牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)達成
• ジャパンカップ連覇(2012年・2013年)
• ドバイシーマクラシック優勝(2014年)
史上7頭目の牝馬三冠を達成し、名牝としての地位を確立しました。
シンザン記念を制し、その後大きく飛躍した好例です。
2. アーモンドアイ(2018年優勝)
• 牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)達成
• ジャパンカップ、天皇賞(秋)を含むG1 9勝
• 2020年のジャパンカップでは三冠馬2頭を撃破
シンザン記念から本格化し、史上最強牝馬の1頭として語り継がれています。
スターホースへの出世レースとなりました。
3. ミッキーアイル(2014年優勝)
• NHKマイルカップ優勝(2014年)
• 阪急杯、マイルCSなどで活躍し、マイル重賞を席巻
シンザン記念で見せたスピードを武器に、マイル路線のトップホースとして成長しました。
シンザン記念の優勝馬には、その後のG1タイトル獲得やクラシック制覇につながる馬が多く見られます。
シンザン記念から牝馬の大活躍(ジェンティルドンナ、アーモンドアイ)が目立つ一方で、牡馬はマイル・スプリント路線での成功が多いです。
ここをステップに素質を開花させる馬も多いため、シンザン記念勝利馬にはその後も注目すべきでしょう。
過去配当
年 | 単勝 | 馬単 | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|
24 | 490 | 2,060 | 50,030 | 216,260 |
23 | 300 | 1,490 | 1,290 | 5,520 |
22 | 1,020 | 4,840 | 3,680 | 25,490 |
21 | 1,300 | 21,940 | 13,750 | 118,210 |
20 | 420 | 4,660 | 23,390 | 103,880 |
19 | 680 | 17,720 | 16,270 | 112,900 |
18 | 290 | 3,100 | 6,980 | 26,730 |
17 | 2,740 | 48,680 | 9,940 | 151,880 |
16 | 2,250 | 13,060 | 95,730 | 671,850 |
15 | 500 | 6,320 | 8,220 | 43,840 |
シンザン記念は、年明け最初の3歳限定重賞として、若駒たちの実力が未知数な部分も多く、波乱が起こりやすいレースとして知られています。
過去10年間の単勝配当を見ると、最低290円(2018年)から最高2,740円(2017年)と幅広く、特に2016年と2017年には2,000円を超える高配当が出ています。
また、三連単の配当では、10万円を超える高配当が6回も出ており、特に2016年には671,850円という高額配当が記録されました。
これらのデータから、シンザン記念は波乱含みのレースであり、人気薄の馬にも注目する必要があると言えます。
過去10年で馬券になった馬
年 | 着順 | 人気 | 馬名 | 所属 |
---|---|---|---|---|
24 | 1 | 3 | ノーブルロジャー | 栗 |
2 | 1 | エコロブルーム | 美 | |
3 | 17 | ウォーターリヒト | 栗 | |
23 | 1 | 2 | ライトクオンタム | 栗 |
2 | 3 | ペースセッティング | 栗 | |
3 | 4 | トーホウガレオン | 栗 | |
22 | 1 | 4 | マテンロウオリオン | 栗 |
2 | 2 | ソリタリオ | 栗 | |
3 | 3 | レッドベルアーム | 栗 | |
21 | 1 | 4 | ピクシーナイト | 栗 |
2 | 8 | ルークズネスト | 栗 | |
3 | 2 | バスラットレオン | 栗 | |
20 | 1 | 2 | サンクテュエール | 美 |
2 | 5 | プリンスリターン | 栗 | |
3 | 9 | コルテジア | 栗 | |
19 | 1 | 4 | ヴァルディゼール | 栗 |
2 | 10 | マイネルフラップ | 栗 | |
3 | 2 | ミッキーブリランテ | 栗 | |
18 | 1 | 1 | アーモンドアイ | 美 |
2 | 7 | ツヅミモン | 栗 | |
3 | 4 | カシアス | 栗 | |
17 | 1 | 8 | キョウヘイ | 栗 |
2 | 4 | タイセイスターリー | 栗 | |
3 | 1 | ペルシアンナイト | 栗 | |
16 | 1 | 8 | ロジクライ | 栗 |
2 | 2 | ジュエラー | 栗 | |
3 | 11 | シゲルノコギリザメ | 栗 | |
15 | 1 | 2 | グァンチャーレ | 栗 |
2 | 9 | ロードフェリーチェ | 栗 | |
3 | 3 | ナヴィオン | 栗 |
過去データから分析した好走傾向
1. 栗東所属馬を中心視しつつ、美浦所属馬の質を確認
所属 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
美浦 | 2-1-0-14/17 | 12% | 18% |
栗東 | 8-9-10-89/116 | 7% | 23% |
シンザン記念が行われる京都競馬場は、関西に位置しており、栗東トレーニングセンターからのアクセスが容易です。
栗東所属馬は、長距離輸送による疲労やストレスが少なく、万全な状態でレースに挑めるため、全体的な成績が安定している理由でしょう。
一方、美浦所属馬は、関東からの長距離輸送を伴うため、調整が難しく、実力が発揮しづらい傾向にあります。
ただし、美浦所属馬の勝率が高い点は、厳選された実力馬が参戦していることを示しており、出走馬の質に注目する必要があります。
2. 牝馬と斤量の恩恵に注目し、牝馬が有利なレース展開を予測
着別度数 | 勝率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|
牝 | 3-2-0-16/21 | 14% | 24% |
牡 | 7-8-10-87/112 | 6% | 22% |
シンザン記念では、牝馬は54kg、牡馬は56kgと斤量差があり、牝馬が有利です。
特に3歳馬は成長段階にあるため、この斤量差が結果に直結しやすいと考えます。
3. 前走クラスや着順を考慮し、勢いのある馬を重視
前走 クラス | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
新馬 | 2-0-0-9/11 | 18% | 18% |
未勝利 | 0-2-3-21/26 | 0% | 19% |
1勝 | 4-4-2-29/39 | 10% | 26% |
OP | 0-0-0-4/4 | 0% | 0% |
G3 | 1-0-0-5/6 | 17% | 17% |
G2 | 0-1-2-8/11 | 0% | 27% |
G1 | 0-1-3-11/15 | 0% | 27% |
前走新馬戦や1勝クラスで勝ち上がった馬が強い理由は、成長曲線がピークに近い馬が多いからと考えます。
特に、新馬戦から直接シンザン記念に挑む馬は、素質が評価されているケースが多く、潜在能力の高さが結果に表れています。
一方、前走がG3の場合、重賞経験があることでレース慣れしており、精神的にも安定しているため勝率が高い傾向にあります。
ただし、G2やG1で消耗した馬は調子を崩しやすく、成績に結びつきにくいと考えられます。
4. 新馬戦や1勝クラスから直行する素質馬を高評価
前走 着順 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1 | 3-4-5-38/50 | 6% | 24% |
2 | 1-1-0-6/8 | 13% | 25% |
3 | 1-0-0-7/8 | 13% | 13% |
4 | 1-0-1-5/7 | 14% | 29% |
5~ | 1-3-4-31/39 | 3% | 21% |
前走1着馬が安定して好成績を残す理由は、勢いと状態の良さがあるからでしょう。
特に新馬戦や1勝クラスで勝利した馬は、未対戦の馬たちと同じ舞台で戦うため、勝ち切る可能性が高まります。
一方、前走2着馬が高い複勝率を記録している理由として、能力が高いにもかかわらず展開や僅差で負けた馬が巻き返すケースである事が考えられます。
おすすめ書籍
ザ・ロイヤルファミリー
馬主視点で日本競馬の流れを知る事が出来ます。
ギャンブルだけじゃない、別の視点を持つきっかけとなりました。
競馬に興味があり、何か読みたい人にオススメの一冊です。
小説は少しずつ読むタイプですが、この作品は一気読みしてしまいました。
優駿
オラシオンという競走馬を中心に織りなす人間模様を描いた作品
今まで考えたことのなかった、生産者に興味を持つきっかけとなった作品です。
馬券とは違った角度から、競馬という文化を知ることが出来ました。
予想
本命はリラエンブレムです。
前走新馬戦を評価しました。
新馬戦から安定した走りを見せており、スタートも悪くなく末脚も安定。
2着のスマートミストラルに0.3秒差をつけての勝利というのも高評価です。
ラスト3ハロンは11.7-11.7-11.5と上り調子でまとめており、この点も高く評価しています。
新馬から重賞挑戦とハードルの高さを感じますが、素質の高さ、そして調子の安定感を評価し本命としました。
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