目次
1.ダービー卿チャレンジトロフィーとは
基本情報
- 日程:2025年4月5日(土)
- 場所:中山競馬場
- 距離:芝1600メートル(外回り)
- 条件:サラ系4歳以上(国際競走・ハンデ戦)
中山の外回りコース芝1600メートルは、1コーナー奥の引き込み線からスタートし、最初のコーナーまでの距離が短いことが大きな特徴です。スタート直後から激しい先行争いになりやすく、道中は下り坂が続くため、速いペースで進むことも少なくありません。最後の直線は約310メートルと短く、さらにゴール前には急坂が待ち構えるため、粘り込む先行馬と一気に差し届く差し・追い込み馬が交錯する、スリリングな展開が見られるのが魅力です。
レースの概要
- 春の古馬マイル路線を占う重要な前哨戦の1つ
- 中山記念(G2)や東京新聞杯(G3)、東風ステークス(L)などを経由して参戦する馬が多い
- ハンデ戦のため、実績馬が重めの斤量を背負う一方で、上がり馬や軽ハンデ馬が一気に台頭するケースもあり、波乱も起きやすいレース
本競走をステップに、後の安田記念やヴィクトリアマイルへと駒を進める馬が出てくることもあり、春シーズンのマイルG1戦線の勢力図を占う上で見逃せない一戦です。
過去の1着馬のその後の活躍
ここ10年(2015年~2024年)の勝ち馬のうち、特に大きな飛躍を遂げた印象的な3頭をピックアップしてみましょう。
- モーリス(2015年優勝)
2015年のダービー卿チャレンジTを制した直後からマイルG1路線で無類の強さを発揮。安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイルなど数々のビッグタイトルを手に入れ、日本のみならず世界的にもトップクラスのマイラーとして名を馳せました。 - テルツェット(2021年優勝)
牝馬ながら古馬混合のハンデ戦を制し、後にG2戦やG3戦でも上位争いを演じるなど着実に力をつけました。牝馬限定路線だけでなく、混合戦でも好走を見せる安定感が魅力で、マイル路線での牝馬の活躍を印象づけた存在です。 - クルーガー(2020年優勝)
8歳での優勝は大きな話題になりました。その後も衰えを感じさせず、海外遠征も含めて重賞戦線を走り続けています。ベテランでも結果を残せることを証明し、息の長い活躍を見せた1頭といえるでしょう。
2. 過去データから探る傾向
ここからは、ダービー卿チャレンジT(以下、「ダービー卿CT」)の過去10年間(2015年~2024年)の1着~3着馬を対象に、いくつかの観点から傾向を探っていきます。ハンデ戦ということもあって大波乱が起きることもありますが、共通点をあぶり出すことで2025年の予想に役立ててみましょう。
2-1. 人気の傾向
- 【優勝馬の人気】
1番人気が勝った年(2015年)がある一方、11番人気(2022年)という穴馬が勝利するケースもあり、人気サイドから中穴・大穴まで幅広く勝ち馬が出現しているのが特徴的です。過去10年をみると「1~5番人気」での優勝が多いものの、2ケタ人気馬の激走も決して珍しくなく、毎年どこかに波乱の目が潜むハンデ戦らしい結果といえます。 - 【3着以内の全体像】
3着以内に入る馬も、上位人気から穴馬までまんべんなく分布しています。馬券的には手広く抑えるか、傾向を絞って中穴狙いをするか、その年のメンバー構成やハンデ次第で戦略が変わりそうです。
2-2. 枠番の傾向
- 【勝ち馬の枠】
過去10年の勝ち馬の枠番を見ると、2枠や5枠での好走がやや目立つ印象があります。一方で、外枠からの優勝は少ない傾向にあり、実際に8枠からの勝ち馬は2015~2024年では確認されていません(3着以内には入るケースもあります)。 - 【内~中枠有利説】
中山芝1600メートル(外回り)のスタート地点は1コーナー奥ですが、最初のコーナーまでの距離が短いため、内~中枠のほうが隊列を取りやすいと言われています。実際に、ダービー卿CTでも先行・差しに関わらず、内めの枠を引いた馬が好結果を出している傾向が見受けられます。
2-3. 血統の傾向
- 【父系の傾向】
キズナ産駒やロードカナロア産駒、ダイワメジャー産駒、ハーツクライ産駒など、近年の人気種牡馬が上位に来るケースが多いですが、極端に特定の血統だけが強いというよりは「マイル実績のある父系」全般が狙い目といえそうです。 - 【母父やサンデー系】
近年の日本競馬はサンデーサイレンス系が主流で、母父や祖父にサンデー系を持つ馬が上位争いをするのは当たり前とも言えます。その中でも、瞬発力に優れる血統、あるいは坂のあるコースに強い血統が狙い目です。
2-4. 騎手や調教師の傾向
- 【騎手】
過去の勝ち馬では、戸崎圭太騎手、石橋脩騎手、川田将雅騎手、M.デムーロ騎手、ルメール騎手など、関東・関西を問わずトップジョッキーの名が並ぶ印象です。一方、穴馬を走らせたのがベテラン騎手だった例もあり、乗り慣れた中山コースを得意とする騎手かどうかも注目材料になりそうです。 - 【調教師】
関東馬・関西馬ともに、勝ち馬を輩出しており「どちらが有利」と断言しにくいのが現状。ただし、中山コースを重視する関東の有力厩舎や、遠征に強い関西の名門厩舎など、それぞれの厩舎の得意条件に当てはまれば狙い目となるでしょう。
2-5. 脚質の傾向
- 【差し・追い込み vs 先行】
勝ち馬の脚質をみると、先行押し切り型(2024年パラレルヴィジョンほか)、中団から差す形(2021年テルツェット、2018年ヒーズインラブなど)、さらには後方一気(2022年タイムトゥヘヴン)までさまざまな脚質が勝利しています。 - 【コース形態の特徴】
中山外回り芝1600メートルは途中に下り坂があるためペースが上がりやすく、ハイペースになれば差し馬台頭の余地が生まれます。逆に道中でペースが落ち着くと先行馬がそのまま粘り込むシーンも多いのが特徴。結局は当日の展開とペース次第で大きく結果が変わる点に注意が必要です。
2-6. 前走の傾向
ダービー卿CT出走馬がどんなレースを使ってきたか、またその時の脚質や人気・着順などを見ていきましょう。
- 【前走レース】
東京新聞杯(G3)、中山記念(G2)、東風ステークス(L)のほか、1600万(3勝クラス)やOP特別(スピカS、洛陽Sなど)からの直行組など多様です。- 東京新聞杯組:マイルG3同士ということもあり、好成績を残す馬が多い。
- 東風ステークス組:中山芝1600mで行われるリステッド競走。コース適性を磨いてから本番に挑むパターンは要注目。
- その他:1600万クラス(現3勝クラス)から一気に重賞取りを果たした馬(2019年フィアーノロマーノなど)もおり、格上挑戦でも無視できません。
- 【前走人気と着順】
前走で人気・着順が良かった馬がそのまま好走するケースはもちろん多いですが、前走で不利があったり、距離や馬場コンディションが合わずに着順を落としていた馬が、一変して好走するパターンもしばしば見受けられます。
ハンデ戦だけに、「前走人気薄だったが力を秘めていた」馬が狙える魅力もあります。 - 【前走脚質】
前走で先行していた馬が引き続き前で運び好走する例、逆に前走で差し脚を伸ばしていた馬が中山コースでさらに切れ味を発揮する例など、脚質も一概には絞れないのが実情です。
ただし、前走でマイル戦や中山コースを使ってスムーズに競馬できた馬は引き続き狙いやすい傾向にあります。
3. まとめ
傾向のまとめ
- 人気の幅が広く、1番人気から2ケタ人気まで優勝例がある
- 枠番は内~中枠寄りが比較的好成績
- 血統は「マイル適性が高い父系」や「瞬発力・坂適性のあるサンデー系」が注目材料
- 騎手・調教師は関東・関西問わず実績が分散し、トップジョッキーの存在感が大きい
- 脚質は先行から後方一気まで幅広く、展開やペースで有利不利が変わる
- 前走は東京新聞杯(G3)や東風ステークス(L)組の好走率が高めだが、1600万(3勝クラス)から格上挑戦で台頭する馬も毎年出現
傾向の特徴と活用方法
- 波乱含みのハンデ戦:近年、人気薄の激走が目立っているため、「力上位」だけではなく「ハンデを味方に一変が期待できる馬」をチェックするのがおすすめです。
- 展開読みが重要:中山マイルは先行争いが激化しやすいだけに、当日の馬場状態やペースを予測し、差し・追い込み馬に展開が向きそうなら果敢に狙ってみる価値があります。
- コース適性と乗り替わりに注目:中山コース実績のある馬、あるいは同コース・同距離で好成績を残している騎手への乗り替わりはプラス材料になりやすいです。
ダービー卿チャレンジTは、ハンデキャップレースならではの波乱要素と、春のマイル戦線を占うという重要度を兼ね備えた一戦です。ぜひレース当日は、過去データや結果の傾向を踏まえつつ、最後まで目が離せない白熱のマイル戦を楽しんでください。
予想
枠順確定後に更新します!
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