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ジェンティルドンナの「ズブさ」が導いたもの
デクが言っていた「ある名レースの伏線」。
それは、ジェンティルドンナの「ズブさ(反応の鈍さ)」に関する話だった。
確かに、彼女は気性が穏やかで、折り合いに苦労しないタイプだった。
でも、それが裏目に出ることもあったんだ。
特に――秋華賞とジャパンカップで、それが顕著に現れた。
アワアワ「えっ!? 秋華賞とジャパンカップで伏線回収って、どういうこと?」
デク「簡単に言えば、ジェンティルドンナは”追い出してから反応するまでが遅い”ことがあったんだ」
アワアワ「えっ、でも、めっちゃ速い馬じゃん!」
デク「違う。速いのと、瞬時に反応できるのは別なんだ」
アワアワ「えっ……つまり?」
デク「例えば、オルフェーヴルは”ギアチェンジが速い”。つまり、一瞬でトップスピードに持っていけるタイプだ」
アワアワ「あー、あの凄まじい加速力!」
デク「対して、ジェンティルドンナは”トップスピードは速いけど、加速に時間がかかる”」
アワアワ「えぇ……確かに、秋華賞でもヴィルシーナに前に出られてから”最後の最後で差し返した”んだよね」
デク「そうだ。あれは、ジェンティルドンナの”ズブさ”が出たから、一度前に出られたんだ」
秋華賞
2012年秋華賞。
ジェンティルドンナは、直線で一度ヴィルシーナに前に出られた。
でも、そこで諦めなかった。
最後の最後で、ジワジワと脚を伸ばし、7センチ差で三冠を達成した。
これは「負けず嫌いな気性」が導いた勝利だったとも言える。
そして、この伏線が、次のジャパンカップでの激闘に繋がっていく……。
ジャパンカップ
2012年ジャパンカップ。
ジェンティルドンナとオルフェーヴルの直接対決。
直線で2頭が馬体をぶつけ合いながら、壮絶な叩き合いを繰り広げた。
そして――。
ゴール前50m、ジェンティルドンナは一度オルフェーヴルに前に出られた。
その瞬間、多くの競馬ファンが「終わった」と思ったらしい。
でも、彼女は負けなかった。
秋華賞の時と同じように――最後の最後で差し返したんだ。
アワアワ「うわあああああ!!!」
デク「そういうことだ。ジェンティルドンナの”ズブさ”は弱点にもなり得たが、逆に言えば”最後に伸びる強み”でもあった」
アワアワ「えっ、でもさ、最後に伸びるのって、“根性”とか、“負けず嫌いな性格”が関係してるんじゃないの?」
デク「それもある。ただ、ジェンティルドンナは単に気持ちが強いだけじゃなくて、体力の消耗が少ない走り方をしていたんだ」
アワアワ「えっ?」
デク「例えば、オルフェーヴルはギアチェンジが速いぶん、一瞬でエネルギーを爆発させる。だからこそ、瞬間的な加速力はすごいが、その分、持続力には限界がある」
アワアワ「なるほど……」
デク「一方、ジェンティルドンナはエネルギーを一定に保ちながら走るタイプ。だから、終盤になっても脚が残っていて、最後の最後で”もうひと伸び”できたんだ」
つまり、ジェンティルドンナの「ズブさ」は――。
- 勝負所で瞬時に加速できない弱点
- でも、最後の最後までバテない強み
という諸刃の剣だったんだ。
そして、その特性が最も活かされたのが……。
秋華賞の「7センチ差の三冠達成」と、ジャパンカップの「オルフェーヴル撃破」だった。
競馬というのは、単純なスピード勝負じゃない。
「どこで加速し、どこで脚を溜めるか」
その戦略と特性の組み合わせが、勝敗を決める。
ジェンティルドンナは、その点で「究極のバランス型」だったんだ。
アワアワ「いやぁ……やっぱりこの馬、すごすぎるよ!」
デク「ああ。記録だけじゃなく、記憶に残る馬だったな」
アワアワ「でもさ、ジェンティルドンナの伝説って、まだ終わってないよね?」
デク「……どういうことだ?」
アワアワ「だって、彼女の子供たちが、これからまた新しい伝説を作るかもしれないじゃん!」
デク「……そうだな。競馬のドラマは”血の物語”。ジェンティルドンナの血統が、新たな歴史を刻む日が来るかもしれない」
アワアワ「その日を楽しみに待とうよ!」
デク「ああ。そして、また競馬の話をしよう」
おわり
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