1.フィリーズレビューとは
基本情報
- レース名:フィリーズレビュー(GII)
- 日程:2025年3月8日(土)
- 場所:阪神競馬場(芝1400m・内回り)
- 出走条件:3歳牝馬(馬齢重量戦)
フィリーズレビューは、桜花賞(阪神競馬場・芝1600m)への重要な前哨戦の一つです。スプリント~マイル適性を持つ3歳牝馬が一堂に会し、スピードと瞬発力を競う一戦として注目されています。勝ち馬には桜花賞の優先出走権が与えられ、馬券的にも波乱が起こりやすいレースとして知られています。
レースの概要
- コースの特徴
阪神芝1400m(内回り)は2コーナー奥のポケットからスタートし、緩やかな下りを経て3コーナー~4コーナーを回るコースレイアウトです。スタート後、約450mほど平坦な直線が続くため前半のペースが速くなりやすいのが特徴です。さらにゴール前半ばから緩やかな坂が待ち構え、最後の一踏ん張りが求められるため、瞬発力と底力を兼ね備えた馬が上位に来やすい舞台といえます。 - レースの位置付け
牝馬クラシック第一弾「桜花賞」を目指す有力馬が出走してくるだけでなく、スピードを武器にここで賞金を加算してマイルGⅠに挑戦しようとする馬が入り混じるのも見どころです。前走が1200m戦だった馬も参戦しやすく、マイル戦(1600m)組との仕上がり具合を比較する楽しさがあります。
過去の1着馬のその後の活躍
過去10年(2015年~2024年)のフィリーズレビュー1着馬のなかには、その後大きな舞台で活躍した馬も存在します。ここでは特に印象深い3頭を紹介しましょう。
- クイーンズリング(2015年)
フィリーズレビューを1番人気で制覇。桜花賞では結果を出せなかったものの、古馬になってからGⅠのエリザベス女王杯を制するなど、大舞台での勝負強さを見せました。 - ソルヴェイグ(2016年)
フィリーズレビューを8番人気の伏兵扱いながら1着。その後、スプリンターズSでは3着に健闘し、一躍トップクラスのスプリント~マイル路線の牝馬として注目されました。 - リバティハイツ(2018年)
こちらもフィリーズレビューを8番人気で勝利。GⅠでは勝ち切れなかったものの、重賞戦線で堅実に上位に食い込むレースぶりを見せ、スピードと先行力を武器に活躍を続けました。
上記のように、人気薄でも勝ち切ってしまう例が多々あるのがこのレースの面白さです。人気サイドがそのまま順当に勝利するケースだけでなく、伏兵の台頭も決して珍しくありません。
2.過去データから探る傾向
ここからは過去10年間(2015年~2024年)のフィリーズレビューの「1着~3着」データをもとに、傾向を詳しく見ていきます。近年の結果を踏まえながら、予想を組み立てる際に役立つポイントを探ってみましょう。
2-1.人気の傾向
- 1番人気の勝率は決して高くない
たとえば、2015年クイーンズリングこそ1番人気で勝利しましたが、2016年ソルヴェイグは8番人気、2018年リバティハイツは8番人気、2019年ノーワンに至っては12番人気での勝利(※同着)があるなど、波乱要素の強いレースです。2024年に勝利したエトヴプレも11番人気でした。 - 2~3番人気からの勝ち馬も多い
2022年サブライムアンセムや2023年シングザットソングなど、2番人気だった馬が勝利するパターンはコンスタントに存在します。 - 中穴~大穴にも要注意
「牝馬限定の3歳戦+芝1400m」という条件から、展開や馬の成長度合い次第で波乱が起こりやすいことがうかがえます。実際、10年以上のデータで2桁人気馬の激走が複数回見られました。
2-2.枠番の傾向
- 外枠でも十分に勝機あり
阪神芝1400m内回りはコーナーまでの距離がある程度あるため、外枠からでも先行・好位付けが可能です。 - 馬場状態や展開に左右されやすい
近年は稍重・雨の影響を受けた年(2019年、2020年など)もあり、そうした年は差し馬が台頭する傾向がありました。結果として大外枠でも差し切れる、または中団から外を回して伸びてくる例も見受けられます。
枠番は内外に関わらずチャンスがある舞台ですが、馬場が荒れている年は外枠の馬が伸びやすいケースもあるため、当日の馬場チェックは必須です。
2-3.血統の傾向
- スピード型か、マイル志向のスタミナ型か
過去の勝ち馬を見ても、父がロードカナロアやジャスタウェイ、またはキングカメハメハ系・ダイワメジャー系など、マイル~中距離寄りのスピード血統が多い印象です。2024年勝ち馬のエトヴプレは父Too Darn Hot(欧州のマイルGⅠ馬)で、いかにも芝1400~1600mが合いそうな血統と言えます。 - 母父からもパワー型要素を補完
日本の高速馬場に対応するため、母父がパワーや底力を与える血統(例えばStorm Cat、メジロマックイーンなど)を持つ馬も健闘しているのが特徴です。
2-4.騎手や調教師の傾向
- 関西馬が目立つ
過去10年の勝ち馬はいずれも栗東所属(関西馬)が多く、関西圏のレースらしい傾向が顕著です。もちろん美浦(関東馬)の出走もありますが、遠征の調整が鍵となるため、地元の栗東勢がやや有利かもしれません。 - 若手騎手も好走多数
例えば2019年に12番人気でノーワンを勝利に導いた坂井瑠星騎手など、実績の少ない若手が思い切った騎乗で穴をあけるケースも見られます。一方で、M.デムーロ騎手や川田将雅騎手のような実績騎手がしっかり人気馬を連れてくることもあるため、過度な騎手固定観は禁物です。
2-5.脚質の傾向
- 先行・差し双方が勝ち切っている
スタートから3コーナーまでは距離が長くペースが上がりやすい一方、後半は下り坂で加速がつき、最後に坂があるという独特のレイアウト。- 先行有利:コースロスを防ぎながら直線で粘り込む
- 差し有利:ハイペースになった年や、馬場が渋った年に上がりの速い馬が外から台頭
- 極端な追い込みはやや不利
阪神内回りの1400mは外回り1600mほど直線が長くないため、後方ポツンの馬が差し切るのは難易度が高めです。道中である程度のポジションを確保できる馬が馬券に絡むことが多く見受けられます。
2-6.前走の傾向
フィリーズレビューは、前走の距離・クラスともに多彩なローテーションがあり、それぞれ結果に特徴があります。
前走レース
- 阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)組
前走が2歳女王決定戦だった組は、やはりレベルが高く人気になりやすいです。一方で着順にかかわらず巻き返しを見せる馬も多く、「惨敗→人気落ち→一発」も狙えるパターンです。 - エルフィステークス(L)や紅梅ステークス(L)組
1400~1600m近辺で行われる準オープンクラス。ここで好走している馬がフィリーズレビューでさらに上を目指す構図が定番です。 - 500万下(1勝クラス)や未勝利組
実はキャリアの浅い馬でも台頭してきます。とくに新馬・未勝利戦で高いパフォーマンスを出し、一気に格上挑戦してくるパターンもあり、穴をあける余地があります。
前走人気と着順
- 前走で人気・着順ともに上位
素直に勢いがあるパターン。1勝クラスやL格でしっかり勝ち切った馬は、高い確率でここでも好走しやすい傾向です。 - 前走GⅠで大敗
前走の惨敗度合いだけを見て人気を落としがちですが、着順ほど内容が悪くない馬も多いので、着差や道中の位置取りをよく見る必要があります。
前走脚質
- 先行策→フィリーズレビューで先行
前走からの脚質を変えず、無理のない競馬ができる馬は馬券に絡みやすいです。特に1勝クラスや紅梅Sなど、1400m前後を先行して粘り込んだ馬は、そのままの形でフィリーズレビューでも好走しがちです。 - 追い込み→展開頼み
前走追い込みだった馬が人気になっても、フィリーズレビュー本番で同じ脚質を貫く場合は展開の助けが必要となります。ハイペースになりそうかどうか、他に逃げ馬が多いかなどを見極めるのが大切です。
3.まとめ
傾向のまとめ
- 人気の波乱度が高い:1番人気が必ずしも勝ち切るとは限らず、中穴・大穴の激走が目立つ
- 枠順は大きなハンデになりづらい:内外問わず、馬場やペース次第でどこからでも差せる
- 血統はマイル~中距離型のスピード血統が好相性
- 先行・差しどちらでも勝ち切り可能だが、極端な追い込みは不利
- 前走阪神JF組やエルフィS組が多く実績を残す。しかし1勝クラスや未勝利組の一発もあり
傾向の特徴と活用方法
- 馬場・展開を見極める
稍重・雨などの馬場になった場合は差しが利きやすく、予想段階で先行馬以外も注目しておくと配当的な妙味が大きくなります。 - 前走GⅠ惨敗馬の巻き返し
前走の着順だけで人気を落とす馬がいるなら、細かな内容(道中の位置取り・直線の脚色など)を評価し、過小評価しないようにしましょう。 - 思わぬ伏兵を拾う
過去データから見ても、単勝オッズが二桁の馬が勝利することがあります。馬体重の増減や調教の動きなど最新情報を総合的に判断し、穴馬の取捨を冷静に行うのがコツです。
以上のように、「フィリーズレビュー」は毎年のようにドラマを生むレースです。1400mという微妙な距離設定がスプリンターとマイラーの交差点となっており、展開一つで結果がガラリと変わります。過去データからの傾向をしっかり押さえつつ、当日の出走馬の前走内容や調教、気配なども加味して最終的な予想を組み立てていくのがおすすめです。とくに、桜花賞へのステップレースとしての位置付けを意識すると、よりいっそうレースが楽しめるでしょう。
予想
枠順確定後に追記します!
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