新・平成三強【BNWの物語】

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目次

第一章 BNW

1993年のクラシック戦線を語る上で、避けて通れないのが 「BNW」 という言葉だ。

これはビワハヤヒデ(B)、ナリタタイシン(N)、ウイニングチケット(W)の頭文字を取ったもので、彼らは同世代のライバルとして激しい戦いを繰り広げた。

皐月賞はナリタタイシン、日本ダービーはウイニングチケット、菊花賞はビワハヤヒデと、それぞれが分け合う形でクラシック三冠戦を制覇。

三頭とも個性が際立ち、「平成の三強」と呼ばれるにふさわしい戦績を残したという。

アワアワ

へぇ〜、BNWってそういう意味なんだね!
なんだかカッコいい名前だね!

デク

そうだな。
1993年のクラシック戦線を象徴する三頭の名前が並ぶのは、競馬史においても特別なことだぞ。

アワアワ

でも、どうしてこの三頭だけが特別視されてるの?
他にも強い馬はいなかったの?

デク

もちろん強い馬は他にもいた。
だが、三冠レースを三頭で分け合った のは彼らだけだ。
それが『BNW』という呼び名を生んだ理由の一つだな。

BNWのライバル関係は、ただの一時的なものではなく、長く競馬ファンの心に刻まれている。

それぞれが違ったタイプの馬でありながら、互いに高め合い、しのぎを削ったからこそ、「伝説」として語り継がれるのだ。

アワアワ

なるほどね〜!
それぞれの特徴とか、もっと知りたいな!

デク

よし、それなら一頭ずつ詳しく見ていくとしよう。

第二章 ビワハヤヒデ ― 安定感抜群の優等生

ビワハヤヒデは 芦毛の名馬 であり、安定した成績を誇った。

新馬戦を圧勝し、そこからクラシックに至るまで常に連対(2着以内) をキープ。

皐月賞こそ惜しくも敗れたが、菊花賞では5馬身差の圧勝で世代最強を証明した。

アワアワ

うわぁ、ビワハヤヒデってすごいね!
連対し続けるって、めちゃくちゃ安定してるんだね!

デク

そうだな。
まさに 『優等生』 という表現がピッタリの馬だった。

アワアワ

でも、なんでそんなに強かったの?

デク

一つは 高い完成度とレースセンスだな。
どんな展開でも崩れず、持続力のある末脚でしっかりと結果を残していた。

ビワハヤヒデは古馬になってからも 天皇賞(春)、宝塚記念を制し、名実ともにトップホースとして君臨した。

しかし、秋の天皇賞後に 屈腱炎を発症し、無念の引退。

その後、種牡馬となるが、大きな成功には至らなかった。

アワアワ

そっかぁ……。
でも、めちゃくちゃ強かったんだね!

デク

ああ。
ただ、もう一頭、彼にとって厄介なライバルがいた。
それが ナリタタイシンだ。

第三章 ナリタタイシン ― 一撃必殺の差し馬

ナリタタイシンは 小柄ながら破壊力抜群の末脚を武器にしていた。

皐月賞では最後方から大外一気の豪脚を見せ、ビワハヤヒデをクビ差で差し切り勝利。

アワアワ

えっ!?
最後方から勝っちゃったの!?
そんなことできるの?

デク

簡単なことじゃないぞ。
普通は届かない。
それをやってのけたのがナリタタイシンだ。

アワアワ

すごい……!
でも、その後はどうだったの?

デク

ダービーは3着、菊花賞は17着と大敗。
それでも、古馬になって 目黒記念を勝利し、天皇賞(春)で2着に食い込んだ。

ナリタタイシンは体調不良や故障に悩まされ、5歳の宝塚記念を最後に引退。

競走成績こそ安定しなかったが、破壊力のある末脚 は今でも語り継がれている。

アワアワ

うーん……。
勝ちきれなかったけど、インパクトはすごいね!

デク

そうだな。
そして、最後に紹介するのがウイニングチケットだ。

第四章 ウイニングチケット ― ダービーを制した実力馬

ウイニングチケットはクラシック三冠戦の中で最も価値があるとされる「日本ダービー」の勝ち馬 だ。

ダービーでは絶妙なコース取りを見せ、ビワハヤヒデの猛追を振り切って優勝。

アワアワ

日本ダービーって、やっぱり特別なの?

デク

ああ。
日本競馬の歴史の中で 最も栄誉あるレース だ。

アワアワ

すごい!
じゃあ、ウイニングチケットが最強ってこと?

デク

いや、そうとも言えない。
ダービーの後、伸び悩んでしまったんだ。

ウイニングチケットはジャパンカップで3着に入るも、有馬記念では11着と惨敗。

その後は故障もあり、 オールカマー2着が最後の輝きとなり引退。

アワアワ

えー!?
ダービー馬なのに……?

デク

競馬は一瞬の輝きと継続的な強さの両方が求められるスポーツだからな。

第五章 激闘

BNWの三頭が激しい戦いを繰り広げたレースは数多い。

それぞれの得意な展開や持ち味がぶつかり合い、1993年のクラシック戦線は伝説となった。

ここでは、特に印象的だった三冠レースと、古馬になってからの主なレースを振り返る。

皐月賞(1993年)

  • 1着 ナリタタイシン(後方一気の差し切り)
  • 2着 ビワハヤヒデ(先行抜け出しも惜敗)
  • 4着 ウイニングチケット(伸びきれず敗退)

ナリタタイシンが最後方から 怒涛の追い込み を見せ、ビワハヤヒデをクビ差で交わして勝利。

一方、ウイニングチケットは折り合いを欠き、直線での伸びを欠いた。

アワアワ

うわぁ、ナリタタイシンってやっぱりスゴいね!
最後方から勝つなんて、まるでアニメの主人公みたいだよ!

デク

あの差し脚は衝撃的だったな。
だが、このままナリタタイシンが世代最強と思ったら大間違いだ。

アワアワ

えっ!?
どういうこと?

デク

次の日本ダービーでは、ウイニングチケットが巻き返したんだ。

日本ダービー(1993年)

  • 1着 ウイニングチケット(内から抜け出し快勝)
  • 2着 ビワハヤヒデ(最後まで食らいつくも届かず)
  • 3着 ナリタタイシン(外から追い込むも届かず)

ダービーは 「三強対決」の様相を呈し、ウイニングチケットが抜群のコース取りで内を突き、一気に抜け出して優勝。

ビワハヤヒデは外を回しながら猛追するも半馬身差の2着。

ナリタタイシンはまたしても後方待機からの追い込みだったが、 届かず3着だった。

アワアワ

ええっ!?
皐月賞と全然結果が違うじゃん!

デク

それが競馬の面白いところだ。
展開、馬場、位置取りで結果は大きく変わる。

アワアワ

なるほど……!
でも、ここまで2戦ともビワハヤヒデは2着なんだね。

デク

ああ。
しかし、三冠最後の菊花賞ではビワハヤヒデが圧勝するんだ。

菊花賞(1993年)

  • 1着 ビワハヤヒデ(圧倒的な勝利)
  • 3着 ウイニングチケット(最後まで粘るも届かず)
  • 17着 ナリタタイシン(まさかの大敗)

このレースでは、 ビワハヤヒデの強さが際立った。

直線で先頭に立つと後続を完全に突き放し、2着馬に5馬身差の圧勝。

ウイニングチケットは懸命に追いすがるも3着。

ナリタタイシンは体調不良の影響でまったく伸びず、17着と大敗した。

アワアワ

ビワハヤヒデ、めちゃくちゃ強いじゃん!
5馬身差ってヤバくない?」

デク

これこそ 『完成度の差』だな。
成長が早く、完成度の高い馬だったんだ。

アワアワ

でも、ナリタタイシンが17着って……。
体調悪かったの?

デク

ああ。
運動誘発性肺出血を発症していたと言われている。
レースに出られただけでも奇跡だったな。

有馬記念(1993年)

  • 1着 トウカイテイオー(奇跡の復活勝利)
  • 2着 ビワハヤヒデ(古馬に食らいつくも届かず)
  • 11着 ウイニングチケット(折り合いを欠いて失速)

このレースは奇跡の復活劇で有名だ。

前年の有馬記念から一年ぶりにレースに出たトウカイテイオーが、最後の直線で鮮やかに差し切り勝利。

ビワハヤヒデは勝ちに行く競馬をするも2着。

ウイニングチケットは折り合いを欠いて11着と大敗した。

アワアワ

トウカイテイオーって、一年ぶりで勝っちゃったの!?

デク

そうだ。
まさに『奇跡の復活』だな。

アワアワ

でも、ビワハヤヒデは2着に入ってるし、やっぱり安定感は抜群だね!

デク

その通り。
そして翌年、ビワハヤヒデは古馬王道路線で更に活躍することになる。

第六章 古馬になったBNW

三冠路線を終え、古馬となったBNW。

しかし、その道は決して平坦なものではなかった。

  • ビワハヤヒデ は 天皇賞(春)&宝塚記念を制し、最強馬として君臨
  • ナリタタイシンは目黒記念を勝ち、天皇賞(春)で2着
  • ウイニングチケットは体調不良に苦しみ、結果を残せず

天皇賞(春)(1994年)

  • 1着 ビワハヤヒデ(堂々の横綱相撲)
  • 2着 ナリタタイシン(追い込むも届かず)

このレースは 「BNW最後の直接対決」 となった。

ビワハヤヒデが終始安定した競馬で抜け出し、2着ナリタタイシンに1馬身1/4差をつけて勝利。

アワアワ

ビワハヤヒデ、もう敵なしじゃん!

デク

まさに『最強』という言葉がふさわしい馬だった。

アワアワ

でも、ウイニングチケットはどうして出てないの?

デク

体調不良で春のレースを全休していたんだ。

ウイニングチケットは体調不良に苦しみ、結果を残せないまま引退。

そして、ビワハヤヒデも天皇賞(秋)後に屈腱炎を発症し、無念の引退。

ナリタタイシンは翌年の宝塚記念で最下位となり、競争生活を終えた。

アワアワ

そっか……。
BNWはみんな怪我で引退しちゃったんだね。

デク

ああ。
そして、その後の競馬界には新たな三強が現れることになる。

アワアワ

えっ!?
それって誰!?
教えてよ!

デク

ふふ、それはまた次の機会にな。

──BNWの時代は終わった。

しかし、競馬の歴史は続いていく。新たな伝説が生まれるたびに、彼らの名もまた、語り継がれていくという。

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