1.毎日杯とは
1−1.基本情報
- 日程:2025年3月29日(土)
- 場所:阪神競馬場
- 距離:芝1800メートル(外回り)
- 出走条件:3歳
毎日杯(GIII)は、例年3月下旬に阪神競馬場の芝1800m(外回りコース)で行われる3歳馬限定の重賞競走です。2025年の開催も同様に、3月下旬の阪神競馬場で予定されています。斤量は馬齢重量(牡馬56kg・牝馬54kgが基準、過去の実績等により加増や減量の場合あり)で行われ、クラシック戦線を占ううえで重要な一戦として注目されています。
1−2.レースの概要
毎日杯は、皐月賞やNHKマイルカップ、さらには日本ダービーへと向かう有力馬が出走してくる可能性が高く、近年では大物候補が集まりやすいレースになっています。阪神・芝1800m(外回り)はスタート後しばらく直線が続き、3コーナー手前でペースが落ち着くことも多いコースレイアウトです。最後の直線は約473.6mと長めでゴール前に急坂があり、ラスト600mあたりから一気に脚を使わなければならないため、折り合い能力と切れ味が試されるレースといえます。
1−3.過去の1着馬のその後の活躍
過去10年の勝ち馬の中には、その後も大きな舞台で活躍した馬が少なくありません。ここでは特に印象的な3頭を紹介します。
- シャフリヤール(2021年優勝)
毎日杯を制したあと、東京優駿(日本ダービー)を見事に制覇しました。GIIIから一気にGIを手にしたことで、同世代のトップクラスとして名を轟かせました。 - ブラストワンピース(2018年優勝)
3歳夏には札幌記念を制し、年末には有馬記念(GI)を勝利。毎日杯で見せた素質を、その後のGI戦線でしっかり結果につなげた好例です。 - アルアイン(2017年優勝)
毎日杯の勝利後、皐月賞(GI)を制覇。春クラシックの初戦をモノにし、その後もマイルCS(GI)2着など、長く第一線で活躍しました。
これらの馬たちは、毎日杯で「ただの早熟」ではなく「将来のGI級」としての片鱗を見せ、結果的に大舞台でその素質を証明した存在です。3歳春のこの段階で抜けた力を見せる馬が登場すると、その後のクラシック戦線でも注目を集めることになります。
2.過去データから探る傾向
ここからは、過去10年(2015年〜2024年)の1着〜3着馬を対象に、人気や脚質、血統などをピックアップして傾向を探ってみましょう。馬券検討や予想をする際の参考にしてみてください。
2−1.人気の傾向
過去10年の勝ち馬(1着)を見てみると、1〜3番人気の上位人気馬が勝利するケースは多いものの、5番人気前後の伏兵が勝ち切る年も少なくありません。
- 2024年 メイショウタバル:5番人気1着
- 2023年 シーズンリッチ:5番人気1着
- 2015年 ミュゼエイリアン:7番人気1着
こうした年もあるため、「堅いレース」と言い切れない側面が見られます。また、2〜3着にも6〜9番人気前後の馬がわりと紛れ込んでおり、比較的中穴まで注意する必要があります。
ただし総合的にみれば、1番人気〜3番人気のいずれかが馬券に絡む確率は高めです。人気サイドを軸にしながら、伏兵候補をどこまで拾うかが馬券戦術の鍵になるでしょう。
2−2.枠番の傾向
近年は少頭数(8頭〜10頭前後)になる年が多く、枠番による極端な有利・不利は表れにくい印象です。15頭フルゲートに近かった2015年もあれば、8頭立てだった2017年のように大きく頭数が変動する年もあります。
競馬場ごとのコース形態を考えると、阪神芝1800m(外回り)はスタート後に直線が長く、隊列が落ち着きやすい傾向があります。そのため内枠が包まれるリスクも多少軽減される一方、外枠でもポジションを取りやすいコースレイアウトです。
したがって、過去の結果から一概に「○○枠が絶対有利」というほどの顕著な偏りは認められません。枠順よりも馬の適性やレース展開が優先されやすいレースと考えられます。
2−3.血統の傾向
過去10年の勝ち馬や連対馬を眺めると、ディープインパクト産駒を筆頭に、ハーツクライ、ドゥラメンテ、ロードカナロアなど、やはりリーディング上位の種牡馬の活躍が目立ちます。特にディープインパクトの血を持つ馬(母父や孫世代も含む)は人気・不人気にかかわらず上位進出するケースが多く、目を離せません。
また、ここ数年はスクリーンヒーロー産駒やゴールドシップ産駒など、スタミナ寄りの系統が上位に入るケースもあり、クラシックを見据えた持久力タイプも十分に通用するレースとなっています。
ポイント
- ディープインパクト系は常に要チェック
- ハービンジャー系やロードカナロア系も成績良好
- 父系が重厚でも、母父がスピード系などバランス型の血統にも注目
2−4.騎手や調教師の傾向
騎手面では、川田将雅ジョッキーや松山弘平ジョッキーなど関西を拠点とするトップジョッキーが好結果を残しています。特に川田ジョッキーは、勝利だけでなく2着・3着など上位に持ってくるケースが多いため、人気サイドに乗ったときには信頼度が高いでしょう。
また、調教師では池江泰寿厩舎や藤原英昭厩舎など、やはり大手とされる厩舎の出走馬が頻繁に上位争いを演じています。注目馬がこれらの厩舎から送り出されるならば、仕上がりも含めて注意しておきたいところです。
2−5.脚質の傾向
阪神芝1800m(外回り)は「最後の坂+長い直線」で瞬発力が問われますが、道中で極端にペースが落ち着き、スローペースからの瞬発力勝負になりやすい年が目立ちます。そのため、差し・追い込み馬が台頭することもしばしばです。
一方で、2022年のピースオブエイト(先行策から押し切り)や2019年のランスオブプラーナ(逃げ切り)など、ペースを握った馬が強気に押し切る年もあります。
- スローになれば末脚勝負
- ペースが締まれば先行馬の粘り
といったように、枠順や馬場傾向、隊列によって展開がガラリと変わる点が大きな特徴です。
具体的には、直線に入る前にある程度良いポジション(5番手以内)をとっている馬が伸びやすい傾向があり、後ろから行く馬は切れ味がよほど突出していないと届ききらないケースが多いです。末脚自慢の馬が勝つためにはペースが遅くなりすぎず、ある程度流れてほしいという条件が整う必要があります。
2−6.前走の傾向
前走レース
多くは共同通信杯(GIII)、きさらぎ賞(GIII)、シンザン記念(GIII)といった3歳春の重賞・オープンクラスからの直行が目立ちます。また、1勝クラス(旧500万下)やアーリントンカップなどから出走してくる馬もちらほら見られます。
GIやGII組よりは、GIIIないし1勝クラスからのステップが主流といえるでしょう。
前走人気と着順
傾向としては、前走で上位人気かつ勝利または3着以内に入っていた馬が、そのままの勢いで好走するケースが多いです。近年では以下のような例があります。
- 2024年 メイショウタバル:前走つばき賞(1勝クラス)で3番人気1着
- 2023年 シーズンリッチ:前走共同通信杯で11番人気ながら6着→巻き返し1着(例外的パターン)
- 2022年 ピースオブエイト:前走アルメリア賞(1勝クラス)2番人気1着→本番も1着
前走で掲示板外に大敗している馬が巻き返すケースはそこまで多くないので、前走の人気と着順には注目しておきましょう。
前走脚質
共同通信杯やきさらぎ賞など、比較的スローペース気味になりやすい前哨戦から来る馬が多いこともあり、前走時点である程度前めに位置取りして上がりもまとめているタイプが、結果的に毎日杯でも上位に来やすいです。
もちろん、差し・追い込み馬でも能力次第で好走しますが、前走から全く脚を使えずに負けているようだと、不安材料になりやすいでしょう。
3.まとめ
3−1.傾向のまとめ
- 人気の傾向
1〜3番人気が安定して馬券に絡みやすいが、5〜7番人気あたりの中穴馬が勝ち切る年もある - 枠番の傾向
少頭数の年が多く、顕著な有利不利は出にくい印象 - 血統の傾向
ディープインパクト系の好走多数。近年はスクリーンヒーローやゴールドシップ産駒も台頭 - 騎手・調教師の傾向
川田将雅ジョッキーや松山弘平ジョッキーなど関西所属のジョッキーが活躍。大手厩舎の管理馬が上位を席巻しやすい - 脚質の傾向
スローの瞬発力勝負になりやすいが、意外と先行馬が押し切るケースもある - 前走の傾向
前走GIIIや1勝クラスで上位人気&好走してきた馬の信頼度が高め
3−2.傾向の特徴と活用方法
毎日杯は、クラシックや次の大舞台につながる重要な一戦です。過去の結果(過去データ・結果)を踏まえると、能力上位の馬が素直に好走する一方で、中穴馬でも一定の前走実績(前走人気・着順)があれば逆転が可能なレースでもあります。
- 予想のポイント
- まずは有力厩舎・有力ジョッキー+人気上位の組み合わせを中心視
- 次に前走内容(着順だけでなく位置取りや上がり)をしっかり確認
- 血統背景からディープインパクト系や好調リーディング系統を重視
- 脚質は先行力・瞬発力の両面が求められるので、道中の折り合いや仕掛けどころが合いそうなタイプに注目
- 最終的に、伏兵候補にも目を配り「人気薄の実力馬」の台頭を警戒
2025年の毎日杯も、これらの傾向をしっかり押さえつつ予想すると良いでしょう。レース当日の馬場状態や頭数、枠順で戦術が変わる可能性がありますが、過去のデータを活用しながら、展開予想と併せて検討してみてください。
予想
枠順確定後に更新します!
コメント