1. 小倉牝馬ステークスとは
基本情報
- 日程:2025年1月25日(土)
- 場所:小倉競馬場(芝2000m)
- 条件:サラ系4歳以上牝馬(ハンデキャップ)
小倉牝馬ステークスは、小倉競馬場で行われる牝馬限定のGIII(ハンデ戦)です。小回り・平坦コースながら、スタートしてから最初のコーナーまでの距離が比較的長く、かつ1〜2コーナーにかけては上り坂が存在する独特のレイアウトが特徴。前半にペースが上がりやすい一方、中盤でペースが落ち着いて仕掛けどころを探る展開となりがちです。
小倉牝馬ステークスは2025年が開催第1回目の新設重賞です。
愛知杯から名称変更されました。
今回の記事では、条件が近い愛知杯のデータを元に分析していきます!
レースの概要
小倉の芝2000mは「息の入れどころ」が重要と言われ、末脚勝負になりやすいコース形態です。牝馬同士のハンデ戦ということもあり、毎年波乱含みの結果が出ることが少なくありません。人気サイドが順当に勝つ年もあれば、6番人気以下が勝ち切る年も珍しくなく、単勝オッズが10倍を超える穴馬の激走もたびたび見られます。
過去の1着馬のその後の活躍
ここ9年の勝ち馬のうち、なかでもG1や重賞で活躍を続けた印象的な3頭を例としてご紹介します。
- マジックキャッスル(2021年優勝)
小倉牝馬ステークスを制した翌シーズンに、G1ヴィクトリアマイルで2着に好走。その後も牝馬限定重賞で上位争いを演じ、安定した成績を残しました。 - デンコウアンジュ(2020年優勝)
7歳牝馬ながら小倉牝馬ステークスを制覇。その後も重賞でしぶとく差し脚を発揮し、後のG1戦線で馬券に絡む走りをみせました。キャリアの長さと味わい深い走りでファンの支持を集めた代表的な存在です。 - アートハウス(2023年優勝)
3歳秋にG1戦線を経験し、4歳初戦として挑んだ小倉牝馬ステークスを快勝。その後も牝馬重賞路線の主力としてG1戦線でも馬券圏内を狙える実力を示し、今後のさらなる飛躍が期待される1頭です。
2. 過去データから探る傾向
ここからは予想の参考となるよう、小倉牝馬ステークス(愛知杯)の過去9年間(2016年〜2024年)の結果やデータを詳しく見ていきましょう。人気や脚質、前走レースなど、多角的に分析することで、穴馬の台頭パターンや好走条件を探ります。
2-1. 人気の傾向
- 1番人気馬の優勝:2017年・2023年・2024年の3回
- 2番人気〜5番人気馬の優勝:2021年(2番人気)のみ
- 6番人気以下の優勝:2016年(8番人気)、2018年(6番人気)、2019年(8番人気)、2020年(9番人気)、2022年(7番人気)
全体として1番人気が勝つ年と中穴・大穴が勝つ年が交互に出現しており、波乱傾向が強めです。特に6番人気以下の馬が優勝した年が5回もあるため、人気薄の馬でも十分チャンスがあるレースといえます。
2-2. 枠番の傾向
- 小倉芝2000mはコーナーを4回回る小回りコースですが、スタート地点から1コーナーまでが長めで枠順による有利不利はそれほど顕著ではありません。
- 実際に、過去の「枠連」配当を見ると内外バラバラで、高配当がつく年もあれば堅い配当になる年もあります。
したがって、極端な枠順による有利不利は小さいと言えます。ただし、馬群に包まれやすい内めの枠では位置取りを間違えると直線で進路がなくなるリスクがあり、外枠ではスムーズに進める代わりに距離ロスが生じる可能性があるなど、一長一短の面がある点に注意しましょう。
2-3. 血統の傾向
過去10年の勝ち馬を父系で見ると、以下のように多彩です。
- キングカメハメハ系:マキシマムドパリ、ルビーカサブランカ
- サンデーサイレンス系派生(ディープインパクト、メイショウサムソンなど)
- ゼンノロブロイ産駒、スクリーンヒーロー産駒 など
「○○系が圧倒的に強い」と言える傾向は見られませんが、サンデーサイレンス系(母父を含む)や、キングカメハメハ系が好走例としてはやや多めに見えます。とくに母父サンデーサイレンスの血を持つ馬は、過去に何度も上位争いを演じています。
2-4. 騎手・調教師の傾向
- 騎手では川田将雅騎手の好走が目立ちます(2023年・2024年連覇など)。ほかにも武豊騎手や戸崎圭太騎手など、実力派のジョッキーが人気に応えて勝利するケースも多いです。
- 調教師は関西勢(栗東所属)がやや優勢。これは小倉競馬場が西日本のため、輸送の負担が少ないのが一因と考えられます。
2-5. 脚質の傾向
- 小倉芝2000mは最後の直線が293mと短いため、先行〜好位差しが基本的に有利になりやすいです。
- 一方で、ペースが流れやすいので、後方待機でも展開次第では差し切りが可能。実際に後方一気で上位に来た例もあり、どちらかといえば「中団以降で上手く脚を溜められるタイプ」にチャンスがあります。
ただし、あまりにも後ろ過ぎると追い込みきれないリスクも大きいため、道中の位置取りと仕掛けのタイミングが鍵となります。
2-6. 前走の傾向
前走レース
- G1やG3といった重賞、あるいは3勝クラス・準オープンから臨んでくる馬が多い
- 特に秋華賞(3歳G1)からの直行だったアートハウスなど、格の高いレースを走ってきた馬は要注目
- 一方で、OP特別や条件戦からの昇級組がいきなり上位に来ることもある(ワンブレスアウェイなど)
前走人気と着順
- 前走で人気を裏切った馬がここで巻き返すケースも目立ちます(例:デンコウアンジュは前走11番人気→小倉牝馬Sで9番人気1着)
- 前走で馬券内に入っていた馬がそのままの勢いで好走する例ももちろん多い
要するに、格の高いレースからのステップ馬か、条件戦で調子を上げてきた馬かの二極化が見られ、そのどちらも狙い目になりうる点がこのレースの難しさ・面白さと言えるでしょう。
前走脚質
- 前走で中団〜後方に控えて末脚を使っていた馬が台頭しやすい傾向
- 前走で先行して着順を落とした馬が、展開のはまり方次第で巻き返すケースもある
小倉の芝2000mはペースが速くなりやすく、スタミナを持った差し・追い込みタイプの激走が期待できる一方、ハンデが軽めの先行馬がそのまま押し切るシーンもあるため、「脚質」だけでなく「展開予想」も合わせて考えることがポイントです。
3. まとめ
傾向のまとめ
- 人気:1番人気が勝つ年と、6番人気以下の穴馬が激走する年が交互に現れる傾向。波乱含み。
- 枠番:内外問わず勝ち馬が出る。極端に有利・不利は少ない。
- 血統:サンデーサイレンス系やキングカメハメハ系がやや目立つが、絶対的な傾向は薄い。
- 騎手・調教師:川田将雅騎手をはじめ関西所属のジョッキー・厩舎がやや強め。
- 脚質:好位差しや中団からの差しが狙いやすいが、展開次第では追い込みも届く。
- 前走レース:格の高いレースからのステップ、もしくは条件戦で好走していた馬が台頭しやすい。
傾向の特徴と活用方法
- ハンデ戦ということもあり、人気薄の一発が十分にあり得るレースです。
- 「実力馬+ハンデ軽めの伏兵」を組み合わせた予想がリターンを大きくするコツ。
- 前走でG1やG3など強い相手と戦ってきた馬か、条件戦で好調を維持している上がり馬かをチェックするだけでも、「買いたい馬」を絞り込みやすくなります。
- 直線の短い小倉競馬場ですが、差し脚を使えるタイプも十分届くので、前走の上がり3Fタイムや末脚の鋭さは要注目。
- 馬場コンディションが悪化した際にはスタミナ寄りの血統や逃げ・先行型の粘り込みも侮れないため、当日の馬場傾向もしっかり見極めましょう。
小回りゆえにコース取りや仕掛けのタイミングひとつで着順が大きく変わり得るのが小倉牝馬ステークスの面白さ。2025年も波乱の展開に備えつつ、過去のデータや結果を活かしてじっくり予想を立ててみてはいかがでしょうか。新年最初の大きな牝馬重賞として目が離せない一戦となるはずです。ぜひ本記事の傾向分析を参考に、的中と高配当を目指してください。
予想
本命馬
シンティレーション
今回の小倉牝馬ステークスで本命に推すのはシンティレーションです。前走エリザベス女王杯(G1)では10着と結果は奮いませんでしたが、1着馬からの差はわずか0.9秒と健闘しております。直線の不利を鑑みると、実力を発揮しきったとも言い切れません。加えて、2走前の府中牝馬ステークス(G2)では2着、勝馬との着差は0.2秒と僅差でした。実績とパフォーマンスを考慮すると、今回のメンバー構成で地力は上位と判断できます。
選定理由
小倉芝2000mのコース特徴を踏まえたとき、シンティレーションはこの条件に合致した能力を持っています。まず、4コーナー奥からのスタートで先行争いが激化しやすいこのコースでは、中盤で息を入れつつ、最後の直線で速い脚を使える馬が有利です。シンティレーションは過去のレースからも持続的な末脚を発揮しており、このレース特有のペースメリハリに対応できると考えられます。
さらに前走エリザベス女王杯では、強敵相手に直線で不利を受けつつも、わずか0.9秒差でゴールしています。このクラスの下がるG3戦であれば、同馬の地力が十分に生きるはずです。また、2走前の府中牝馬ステークスでの2着は特筆すべき成績です。勝馬ブレイディヴェーグがエリザベス女王杯を勝った馬であることを考慮すれば、この成績がどれだけ価値あるものかが分かります。
コース形態的にも、ゴール前の平坦な直線と最後の速い上がりが要求される点でシンティレーションの脚質が活きる可能性が高いです。一方で一本調子な馬には苦しい展開になるため、速い上がりに対応可能な同馬の適性が評価されます。
まとめ
小倉牝馬ステークス(G3)は、地力と実績を兼ね備えたシンティレーションが本命馬としました。前走での健闘と府中牝馬ステークスでの実績は信頼に足るもので、今回のメンバーであれば能力を存分に発揮できるでしょう。コース形態や展開もシンティレーションに味方しそうで、勝利に最も近い一頭と判断しました!
結果
◎シンティレーション1着
小倉牝馬ステークス、記念すべき第1回目はまさに歴史に残る一戦でした。勝負の行方はゴール板を越えても決まらず、長い写真判定の末、フェアエールングとシンティレーションが同着での優勝。重賞では1984年以降わずか8例目となるこの結果に、会場は大きな歓声に包まれました。
本命馬シンティレーションに騎乗した杉原騎手は「完全に負けていると思った」と語る一方で、丹内騎手は「勝っていると思った」と対照的なコメント。このレースは、両ジョッキーの見事な騎乗によって引き出された馬のポテンシャルが際立った一戦でもありました。
シンティレーションは内を巧みに立ち回り、ロスのない完璧な競馬を展開。一方、フェアエールングは外から長く良い脚を使い、最後の最後で並びかけました。開幕週特有の差し馬有利のコンディションも味方し、両馬の持ち味が存分に発揮されました。
この結果により、両馬ともに嬉しい重賞初制覇を達成。記録にも記憶にも残る名レースとなった小倉牝馬ステークス。次走への期待がますます高まります。
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