目次
スプリングステークスとは
基本情報
- 日程:2025年3月16日(日)
- 場所:中山競馬場(芝・内回り)
- 距離:芝1800メートル
- 出走条件:サラ系3歳(牡馬・牝馬)、馬齢重量戦
スプリングステークスは、皐月賞トライアルとして位置づけられる重賞レースです。上位3頭に皐月賞への優先出走権が与えられることもあり、クラシック戦線を睨む素質馬が集まりやすい一戦です。近年は海外志向が強い馬も増えていますが、やはり伝統ある「皐月賞トライアル」として、多くのホースマンが注目するステップレースとなっています。
レースの概要
- コースの特徴
スタンド前の直線(ゴール板付近)からスタートし、すぐに1コーナーを迎えます。スタート地点はゴール前の急坂の途中にあり、1コーナーまでは約200メートルと短いため、前半でポジションを取りにいく動きが激しくなりがちです。
2コーナーから向正面にかけては下り坂でペースアップし、3〜4コーナーで位置取りの争いがさらに激化。最後の直線は約310メートルと短いものの、途中に急坂(高低差約2.2メートル)があるためパワーが問われます。
先行馬がそのまま押し切るケースもあれば、直線坂上で差し届くケースもあり、展開次第でどの脚質も台頭の余地があるコース形態と言えるでしょう。 - 過去の1着馬のその後の活躍:主な3頭
スプリングステークスで好走した馬のなかには、その後クラシックや海外G1へと飛躍を遂げる馬も少なくありません。近年の大きな活躍を挙げるなら、次の3頭はぜひ押さえておきたいところです。- キタサンブラック(2015年 優勝)
レース後は皐月賞3着、日本ダービー5着と善戦し、その後は天皇賞(春)やジャパンカップ、有馬記念など数々のG1を制覇するスターホースに成長。年度代表馬にも選ばれ、長く日本競馬を盛り上げました。 - ステルヴィオ(2018年 優勝)
スプリングステークスで快勝した後、皐月賞4着、ダービー5着を経て秋にはマイルチャンピオンシップ(G1)を制覇。マイル戦線でもトップクラスの実力を発揮し、クラシック世代の中でも屈指の活躍を見せました。 - ウインブライト(2017年 優勝)
皐月賞は6着でしたが、その後は香港G1・クイーンエリザベスII世カップや香港カップなど海外G1を連勝。中山コース巧者として国内重賞を積み重ね、さらに海外遠征でも華々しい実績を残した点が大きな話題となりました。
- キタサンブラック(2015年 優勝)
過去データから探る傾向
ここからは、過去10年間(2015年〜2024年)のスプリングステークスの1着〜3着に入った馬のデータをもとに、具体的な傾向を見ていきます。過去の結果やデータをしっかりと分析することで、2025年の予想に役立てましょう。
1. 人気の傾向
- 勝ち馬の人気
過去10年の1着馬の人気順を見ると、1番人気が勝利したケースは2018年(ステルヴィオ)と2024年(シックスペンス)の2回。2番人気も2023年(ベラジオオペラ)で1回あります。
一方で5番人気が3度(2015年、2017年、2022年)勝っており、6番人気(2020年)や10番人気(2019年)といった伏兵の激走もありました。
⇒ 1〜3番人気だけでなく、5番人気以下の中穴馬の台頭が少なくないレースと言えます。 - 3着内全体の人気分布
2着や3着にも7番人気以上が多数絡んでおり、なかには9番人気や10番人気といった大穴の好走例が見られます。硬い決着だけでなく、大きな配当が飛び出す可能性も十分にあるため、予想時には伏兵馬の取捨が大きなカギを握ります。
2. 枠番の傾向
- 内枠有利・外枠不利の極端さは薄め
中山芝1800メートルは1コーナーまで距離が短いので内枠先行有利と言われがちですが、スプリングステークスに限っては外枠からでも好走例は少なくありません。
近年は頭数自体が10頭前後の年もあるため、あまり「極端な内外差」は生じにくい印象です。むしろ先行ポジションを取りやすいかどうかが重要で、枠よりも馬の出脚や騎手のスタート戦略の影響が大きいと考えられます。
3. 血統の傾向
- サンデーサイレンス系の活躍
直近10年間の勝ち馬を見ると、キタサンブラック(ブラックタイド産駒)、ウインブライト(ステイゴールド産駒)、マウントロブソン(ディープインパクト産駒)、シックスペンス(キズナ産駒)など、サンデーサイレンス系の血が入った馬の躍進が目立ちます。
ロードカナロア産駒やハーツクライ産駒なども含め、「芝中距離での切れ味や持続力」に強みを持つ血統はやはり有力です。 - パワー型の母父
中山の急坂を苦にしないパワー型の母父系統(例えばキングカメハメハ系や欧州血統など)も馬券圏内の常連です。特に、雨で馬場が渋った場合などはパワーに秀でた血統背景がプラスに働く傾向があります。
4. 騎手や調教師の傾向
- 騎手
ルメール騎手は2018年(ステルヴィオ)や2024年(シックスペンス)などで勝利。池添謙一騎手も2021年(ヴィクティファルス)や過去に複数の好走実績あり。横山武史騎手、川田将雅騎手あたりも馬券内実績が多く、トップジョッキーは当然要注意と言えます。
また、関東の中山競馬場ということで、地元のベテラン勢(柴田大知騎手など)も穴を空けるシーンがあり、どの騎手も伏兵として見逃せません。 - 調教師
関東の名門・国枝栄厩舎が2024年(シックスペンス)や2019年、2015年にも複数頭を馬券圏内に送り込むなど存在感を放っています。また、近年は美浦だけでなく栗東からの遠征馬も多く、池江泰寿厩舎や手塚貴久厩舎、堀宣行厩舎なども勝ち負けを演じています。
特定の調教師が毎年目立つというより、一流厩舎・有力厩舎は漏れなく注意といったほうが的確でしょう。
5. 脚質の傾向
- 先行・差しいずれも好走可能
中山芝1800mは先行有利と言われがちですが、過去10年の勝ち馬を見ても逃げ切り勝ち(2022年ビーアストニッシド)から差し切り勝ち(2018年ステルヴィオ、2023年ベラジオオペラなど)まで幅広い脚質が勝利しています。
決め手になるのは「レースの流れ」と「馬場コンディション」。たとえば雨で重くなった年(2021年や2023年など)はペースが落ち着きにくい分、スタミナやパワーのある中団〜後方馬でも差し込めるケースが目立ちます。
逆に良馬場でペースが遅くなれば、前々で立ち回った馬が有利。最終的には当日の馬場傾向・展開読みが重要です。
6. 前走の傾向
(1)前走レース
- 共同通信杯組がやや多い
クラシックを意識した馬が直行するケースがあり、共同通信杯(東京1800m)からの転戦が昔から主流のひとつ。実際、2021年のヴィクティファルスや2015年のリアルスティールなども共同通信杯をステップに好走しました。 - 1勝クラス・条件戦からの昇級馬
近年はまだキャリアが浅い素質馬が1勝クラスやオープン特別から一気に重賞へ挑戦してくるパターンが増加傾向。2024年のシックスペンスや2023年のベラジオオペラなども1勝クラスを勝ち上がり、ここで一気に重賞タイトルを手にしています。
(2)前走人気と着順
- 前走で人気を裏切った馬の巻き返しも
2024年2着のアレグロブリランテは前走9番人気ながら2着と健闘し、本番でも2着好走。前走結果が冴えなかった馬が激走する例も見られます。一方で前走圧勝の勢いそのままに好走する「上がり馬」も多く、前走の着順だけで一概に評価を下げるのは危険です。 - 前走1番人気で勝利→本番でも人気になるケースが多い
たとえば、2023年のベラジオオペラは前走セントポーリア賞で1番人気1着、本番でも2番人気で勝利。2024年シックスペンスも前走ひいらぎ賞1番人気1着から1番人気支持を受けて制覇しており、連勝パターンは要警戒です。
(3)前走脚質
- 先行脚質からそのまま押し切るor粘り込むパターン
2022年のビーアストニッシドは前走共同通信杯で果敢に逃げ・先行。スプリングステークスでもハナを切り押し切り勝ち。 - 上がりの脚を備えた差し馬の一撃
2023年ベラジオオペラのように前走は中団あたりで競馬をして、直線だけで豪快に伸びて勝つスタイルも本番で再現されやすい傾向。
⇒ 前走で「ある程度早い上がり3F」を記録している馬は要注意と言えます。
まとめ
傾向のまとめ
- 人気面:1〜3番人気が勝つことも多いですが、5番人気以下の伏兵が一発を決めるケースもあり波乱含み。
- 枠番:内外どちらもチャンスあり。スタート後すぐに1コーナーが来るコース形態ですが、極端な内有利・外不利は少なく、ペース・位置取りが重要。
- 血統:サンデーサイレンス系をはじめ、パワーと瞬発力を兼ね備えた配合が好走しやすい。母父欧州血統などパワー型配合も重馬場や急坂適性でプラス。
- 騎手・調教師:トップジョッキー&一流厩舎は当然警戒。ローカルでも勝ち星を積んでくる陣営の「勢い」も見逃せない。
- 脚質:逃げ〜差しまで幅広く好走。重馬場ならスタミナ重視の決着になりやすい。
- 前走:共同通信杯組がメジャーなローテになりやすいが、1勝クラスなど下級条件からの一気の台頭もめずらしくない。
傾向の特徴と活用方法
- 人気の盲点を探せ
過去10年で1番人気や2番人気が勝利する年もありますが、2019年のエメラルファイト(10番人気)や2020年ガロアクリーク(6番人気)が勝つなど、思わぬ伏兵が台頭します。軸馬は実力馬でも、相手には人気薄を入れるのが妙味です。 - パワー型血統と切れ味型血統を併せて評価
中山1800mは高低差のあるコース。パワーがある馬が強い一方、末脚のキレが物を言うパターンも多いです。馬場が渋ると一気にパワー寄り、良馬場のスローペースなら瞬発力勝負になるなど、当日の馬場傾向や降雨状況を踏まえるのが重要です。 - 前走内容をしっかり精査
前走G3で善戦していた馬のほか、1勝クラスを快勝し勢いに乗る上がり馬も警戒。脚質も含めて「どう勝ったか」「どういう展開で負けたか」までチェックすることで、スプリングステークス本番のシミュレーションが立てやすくなります。
以上が、2025年のスプリングステークスを予想するうえで押さえておきたいポイントです。
近年は頭数が10〜16頭前後で行われ、ペースや馬場状態次第で様々な脚質にチャンスが生まれるレースでもあります。皐月賞への最終ステップとして有力馬が集まる一方、素質馬の台頭や波乱も少なくありません。ぜひ過去の結果やデータを参考にしながら、2025年のスプリングステークスの予想を楽しんでみてください。クラシック本番に向け、ここで存在感を示す馬がどの馬なのか、注目が集まります。
予想
枠順確定後更新します!
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